レビュー/スコア8.2 MHWアイスボーン 大型DLCの名にふさわしい大ボリュームの拡張編

ゲーム概要

言わずと知れたモンスターハンターシリーズ最新作MHWの有料大型DLC。ワールドワイド戦略の一環か完全版商法から脱却し、本編所有者は追加分のみDLCで購入可能。今までのシリーズにおけるG級版そのもので、本編クリア後に新モンスター、新マップ、新アクション、新たなストーリーが展開される。

ドはまりしたワールドのG級がとうとう来た

ワールドは豪華な無料アップデートが継続的に続いていたので、一時的に離れてもまた戻ってくるというような遊び方ができ、長いスパンにわたって楽しめていました。コラボもモンスター追加も一通り終わり、そろそろ終わりかなという頃に有料DLCということで迷わず購入。

レビュワーについてのどうでもいい情報

dos、p2、p2g、3rd、3g、4、ワールドと遊びました。一番遊んだのはp2g、一番遊ばなかったのはdosかなぁという感じです。dosはオフラインで遊んでいたのでボリュームが少なくすぐにやめてしまった記憶があります。使っている武器は作品によって違いますが、一つのものにこだわらずに使っています。大剣、太刀、片手、双剣、チャージアックス、スラッシュアックス、弓、ヘビィがあたりが多いです。こうしてみると兄弟武器が多いですね。

お値段以上の大ボリューム

プレイ時間 〇

多数の新モンスターと寒冷地の追加

多数の新規モンスターと寒冷地が追加されました。当初追加マップが一つだけなことを懸念しておりましたが、ふたを開けてみれば全体的なボリュームはいままでのG級とほぼ同じかそれ以上の規模となっており、値段も考慮すると十分満足できる内容でした。

新拠点セリエナBy GGGamelife Twitter bia PS4share / https://twitter.com/g3ame/status/1245393661426192384

このクオリティでこのボリュームのコンテンツを4000円台で遊べるというのは、あらためて考えるとすごいことだと思います。

新システム&アクションの追加

ワールドの新システム”スリンガー”をさらに発展させた”クラッチクロー”が追加。モンスターに直接張り付くことが可能となり、張り付き中に攻撃をすることで肉質を軟化させる”クラッチクロー攻撃”が可能になりました。さらにモンスターの頭部に張り付きスリンガー弾を射出することで指定方向に走らせ壁に激突させる”ぶっ飛ばし”も追加。乗り、スリンガーに次ぐ新たなシステムの追加で戦いに変化が生まれています。

新モンスターバフバロBy GGGamelife Twitter bia PS4share / https://twitter.com/g3ame/status/1245393661426192384

さらに各武器固有のアクションも追加されており、クラッチクローと合わせることで同じモンスターでもワールドの頃とはまた違った新鮮な狩りが楽しめます。

追加モンスターは多いとはいえ半分以上はさんざん遊び倒したワールドベースのモンスターなわけですから、やはりそこも新鮮さをもって遊んでもらうための策ということでしょうか。この辺りのマンネリ感をやわらげるやり方は上手いですね。

継続的な無料大型アップデート予定

ワールド同様に長期間の無料大型アップデートが計画されており、追加モンスター、コラボ、イベントクエスト、などなどプレイヤーを飽きさせないような追加が続々実施されます。

これはワールド以降最も評価できるポイントの一つで、今までの買い切りでほぼ終わりのスタイル(小規模な追加、ダウンロードクエやイベクエはありましたが)ではなしえなかったゲーム寿命の長さを得ることができました。

集中的に遊びつくして新作に次々移っていくタイプの方にはあまり魅力的なポイントではないかもしれませんが、更新ペースが自分の遊び方とマッチした場合はそれこそ年単位で末永く遊べるゲームになると思います。同じような仲間がいれば、もう一生遊べるんじゃないの!?ってくらい。それは言い過ぎか。

ワールドから深化したやりこみ要素

中毒性 〇

ワールドの「やることない問題」は解消

ワールドは追加アップデートで充実してきたものの、発売初期はエンドコンテンツが貧弱で歴戦3調査クエストで装飾品を集めるぐらいしかやりこみ要素がありませんでした。

アイスボーンではエンドコンテンツがリリース当初から充実しており、ストーリークリア後もやるべきことは山ほどあります。高マスターランクで解放される新モンスター群、導きの地、より強力な効果を持つlv4スロット装飾品集め、さらに追加アップデートで、ムフェトジーヴァ、マスターマムタロト、アルバトリオンといった特殊な報酬がもらえるクエストも実装予定、といった具合に多くのコンテンツが用意されています。

細分化した武器カスタムと導きの地

武器カスタムの項目や強化回数はワールドよりもさらに細分化され、細かくカスタムできるようになりました。本編クリア後に行ける”導きの地”というエリアでは最終武器のカスタムに必要な専用素材が入手できます。

クエストの制限時間やダウン回数を気にせず、のんびりとマップを回遊して連続狩猟できるというコンセプトは非常に面白く、マンネリ化した通常クエストから気分をリフレッシュするには丁度いい遊び方ができます。

しかし一方でデメリットもあります。細分化されすぎた素材のせいで武器カスタムのハードルが非常に高くなっており、気軽に別の武器を使うことが難しくなりました。また導きの地は時間稼ぎのために意図的に煩雑なシステムにしている節があり、目的の素材を手に入れるまで時間がかかります。そして各人が求める素材や目的も千差万別なので、野良のオンラインで人が集めにくいという点も挙げられます。

調整不足のバランス

ゲームバランス ×

武器間の格差を助長するクラッチクロー

クラッチクローで張り付いた部位に攻撃すると物理肉質を90秒間軟化できる”傷つけ”という、もう聞いただけで強力とわかるシステムが追加されました。問題は武器によって傷つけが1回攻撃で可能なものと、2回攻撃が必要なものに分かれている点。2回攻撃の武器は代わりにクラッチ攻撃モーションがわずかに早かったり、スリンガー弾を落とすようになったりしますが、1回の差はとても大きく武器間の格差を助長しています。

おそらく開発側としては「太刀のA君がスリンガー弾を供給して大剣のB君が傷つけだ!」みたいな武器毎にロールを持って遊んでほしかったのかもしれません。現実はそこまで繊細なチームワークが必要なゲームではなく、全員ダメージディーラーで成立するので空回りしている感じがします。そもそも石ころなんかその辺に落ちてるしね。

テンプレ化する狩り

ぶっ飛ばしダウンや傷つけといった強力な全モンスター共通戦術が戦闘のウェイトを大きく占めており、相対的に今までのモンスターハンターの”地”のアクション要素が薄くなっています。

開幕不動傷付けぶっ飛ばしぶっ飛ばし、特殊怯みで傷継続して非怒り時は常にぶっ飛ばしを狙うといった具合で、共通の動きが多すぎて、モンスターによってあまり変わり映えしません。

アイスボーンのモンスターは隙が非常に少なくなり高速化しているため、「いかに動かさずにハメるか」という考え方が圧倒的にこのゲームを支配しています。ぶっ飛ばしは方向転換を控えれば1クエスト中に5、6回ダウンが取れるので、睡眠・麻痺・スタン・乗り・罠とただでさえ豊富な拘束手段と併せて、「動かないモンスターを殴るゲーム」が加速しています。リアルな狩りの姿だとは思いますが…。

剣道三倍段ならぬ遠距離三倍段

人によってはプラス評価にもマイナス評価にもなりえると思いますが、現状のエンドコンテンツ帯はほとんどの場合において近接武器を握ってモンスターの動きと隙を覚えて真面目に攻略するより、そんな面倒なことはしなくてもボウガンで同等以上の火力がお手軽にだせる環境です。

全体的に隙が小さくなり高速化したモンスター相手に近接で遠距離武器と同等のDPSを出そうとしたら相当な練習が必要です。そしてそこまでやっても同じ練度なら遠距離武器を使った方が早く、ローリスクで安定するケースが多いでしょう。TPS好きの方にはおススメですが、近接でアクションしたい人はあまり楽しめない環境かもしれません。

その他諸々、豊富な要素はあるものの甘いチューニングが目立つ

レビュースコア

8.2
  • 世界観
  • ストーリー
  • キャラクター
  • グラフィック 〇
  • バトルシステム
  • ゲームバランス ×
  • 操作性・UI
  • ユーザビリティ
  • 中毒性 〇
  • カジュアル向け 〇
  • ゲーマー向け 〇
  • プレイ時間 〇
本作のスコアは暫定です。将来的なアップデートやDLCにより変動する可能性があります。

総合評価

荒い部分も多いですが、なんだかんだ言ってモンスタータイトルであることに疑いはありません。これほどの物量とクオリティの作品をこの価格で提供できるメーカーは世界でもそうそうありません。AAAタイトルにのみ可能な贅沢。そしてカプコンが今まで培ったノウハウと多大な企業努力の賜物だと言えます。

ワールドで長らく大型アップデートを楽しませてもらった実績や、アイスボーンでもまだ更新が続くことを考慮すれば非常にコストパフォーマンスに優れた作品だと個人的には思います。

気になる点も多々あるものの、ワールドを楽しめた方であればおおむね満足できる出来栄えになっていると思います。とても良くできた作品ですので、シリーズファンもそうでない方も、是非一度遊んでみてください。