レビュー/スコア8.7 バイオハザードRE:2 原作の雰囲気を残しつつ現代技術で描ききるサバイバルホラー

ゲーム概要

1998年初代プレイステーションにて発売されたサバイバルホラーアクションの金字塔「バイオハザード2」が20年の時を経て最新のグラフィック技術で蘇り帰ってきた!

原作ではいわゆるラジコン操作と呼ばれる固定視点のゲームでしたが、本リメイクでは操作キャラの背後視点で操作するサードパーソンシューターへと生まれ変わりました。

ローポリで描かれたゾンビは20年の時を経て実写と見紛うかのような生々しい肉体を手に入れ、固定視点によるラジコン操作で壁に体を擦り付けながら進むレオンくんはケツアゴになった。

海外AAAタイトルにも引けを取らない圧倒的な表現力

グラフィック 〇

カプコン内製の新世代ゲームエンジン”REエンジン”を使用して作られた本作は2019年円熟期を迎える今世代のコンシューマータイトルとしては、海外巨大資本率いるAAAタイトルにも引けを取らない水準に達しています

本作は暗いステージが多いわけですが、非常に重苦しく先に進むのも躊躇うような破滅的な空気感を見事に表現しきっています。

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暗闇の中で明滅する照明、ぼんやりと照らされる環境光、角度を変えるとギラリと鈍い光を反射する金属、水に濡れ水分を含んだ表面で乱反射する光などなど闇の中の光の表現が素晴らしく、目を見張るものがあります。

ホラーにおけるグラフィックの水準というのは非常に重要になってきますが、その点においてバイオRE2はしっかりとハードルを越えた出来栄えだと思います。

原作を尊重したホラー寄りのバトル設計と絶妙なバランシング

バトルシステム〇
ゲームバランス〇

私が個人的にこのゲームで特に感心した部分です。

バイオハザードはシリーズを重ね体術や緊急回避などのアクション色が濃くなりシューターとして爽快感が増していきました。

その一方でシリーズ初期の頃の「攻撃手段や薬は有限で大事」「ゾンビに対抗する手段が少ない」といった”ままならなさ”を徐々に失なうことで、クリーチャーが恐怖の対象ではなくなっていったように思えます。

2をリメイクすると謳った以上、どれだけグラフィックをリアルに再構築したところで根幹のゲーム性が全く別物であれば… …そう例えば、レオンが9パラ1発でゾンビの膝をつかせベリィトゥベリィで脳幹砕いた日にはもうそれは2ではないといえるでしょう。

そういった視点から見た場合、本作RE:2は映像面だけでなくプレイフィールにおいてもバイオシリーズ初期のホラー感・サバイバル感をしっかり再現しようとした努力の跡が感じられます。

ただしこれらの点はバイオ4以降の路線や近年の一般的なシューターを期待している場合にはマイナス評価になる部分やもしれませんのでご注意ください。

プレイヤーは鈍重、ゾンビも鈍重

近年のバイオハザードシリーズやシューターに慣れ親しんだ人からすればプレイヤーや敵の移動速度はかなりもっさりな印象を受けるかと思います。

またクリーチャーはタフではありますがやはりプレイヤーと同じく鈍重なのでゲームスピード自体は非常に遅め。

そう、これはエイム力や反射神経で戦うようなゲームではない、というカプコンからのメッセージなんじゃないかと著者は勝手に思っています。

リソース管理+ゾンビから逃げる=サバイバルホラー

攻撃手段は全て弾丸なりナイフの耐久なり全て有限のリソースを使うため、弾丸つきナイフ折れたなら攻撃手段はもはや存在しません。そしてゾンビは一体相手するだけでも相当数の弾丸を消費するタフネス。

弾薬と敵の配置は絶妙で、弾が余り過ぎて緊張感がなくならないようにかなり綿密に調整したと思われます。周回プレイで敵の配置や弾の入手量が大体わかってしまうとガッツリ余るようになるのですが、アイテム入手と消費の見通しが不透明な初回プレイはかなりの緊張感が生まれます。やはり人間、一番怖いものは「先が見えない」ことなのだ。

この緊張感こそアクションシューターではなくサバイバルホラーといえる所以です。

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タイラントは死ぬほどしつこく追跡してくるが動きそのものはもっさり鈍足。
神エイムも反射神経もいらない。いかに戦いを避けやり過ごすかが重要。

難易度選択があるので心配は無用

とはいえEASYモードやおまけではありますが無限武器もしっかり用意されているのでバンバン撃ち込んでいきたい方、サバイバルホラーよりもアクションシューターのほうが好みの方も十分カバーできる内容にはなっていると思われます。

やりこみ要素は少々淡泊か。原作の域は越えてこない

プレイ時間 ×

ストーリーはレオンとクレアの二人でそれぞれ表編と裏編があるものの敵・アイテムの種類や配置が変わる味変程度のもので、ここについては少々肩透かしを食らった印象でした。

シングルプレイかつ攻略手順は決まっているリニア進行のゲームでクリアまで初回でも5~15時間の幅で収まり、慣れれば2時間程度で1周終わります。

タイムアタックやスコアアタックを楽しめるタイプの人にはリプレイ性はそこそこ高いものの、そうでない人にとっては1,2周遊んで20時間程度で終わりになってしまう可能性も十分に高く、最近のゲームにしては淡泊な印象を受けるかもしれません。

原作もやりこみ度に対しては同じようなものでしたがそこはストイックに原作準拠せず切り込んでほしかったところです。初回プレイの衝撃はすさまじいものがありますが、プレイ時間と価格を天秤にかけると少々コスパは悪いかもしれません。

レビュースコア

8.7
  • 世界観
  • ストーリー
  • キャラクター
  • 〇 グラフィック
  • 〇 バトルシステム
  • 〇 ゲームバランス
  • 操作性・UI
  • ユーザビリティ
  • 中毒性
  • カジュアル向け
  • 〇 ゲーマー向け
  • × プレイ時間

総合評価

原作の雰囲気を尊重しながら、しっかりと独自のゲーム性を発揮することに成功しており近年のどのシューターやパニックホラーとも異なる手触りです。

シューターが世界的に大きく普及し別の会社が作った作品なのに既視感を覚えるほどにジャンル自体が陳腐化して久しいですが、本作では原作バイオ2でローポリゾンビにおびえ、先の見えない角を恐る恐る曲がったあの頃の感情を新たなグラフィック、操作性で体験することができるでしょう。

原作をやったことがある人ももちろん、そうでない人にもお勧めできる2019年を代表する傑作です。